予算計画書作成の際、注意するべき事項をまとめました。
予算書のスプレッドシートと併せてご活用ください。
目次
収入の部
1. 市民活動支援基金助成金
対象: 八尾市から交付される助成金の金額
具体例:
- SDGs若者チャレンジコース:150,000円(上限額)
- 実際の交付額は審査により決定される
- 助成率10/10(全額助成)
申請時の注意:
- 申請額が必ず交付されるわけではない。
- 審査結果により減額される場合がある。
- 事業規模に見合った適正な申請額とする。
2. 事業収入(参加費、売上等)
対象: 事業実施により得られる収入
具体例:
- セミナー参加費:@500円×100名=50,000円
- ワークショップ材料費:@300円×80名=24,000円
- 成果品販売収入:@200円×150個=30,000円
- 体験イベント参加費:@1,000円×60名=60,000円
- オンライン講座受講料:@800円×40名=32,000円
設定のポイント:
- 参加しやすい適正な料金設定とする。
- 参加予定者数を現実的に見積もる。
- 収益事業ではなく実費徴収の範囲とする。
3. 寄付金収入
対象: 個人や企業からの寄付金
具体例:
- 個人寄付金:@1,000円×30名=30,000円
- 企業協賛金:@10,000円×3社=30,000円
- クラウドファンディング:50,000円
- 地域団体からの支援金:20,000円
- 活動趣旨に賛同する団体からの寄付:15,000円
募集の工夫:
- 事業の意義や効果を明確に伝える。
- 寄付者への報告や感謝の方法を検討する。
- 地域のネットワークを活用する。
4. 団体負担金・会費収入
対象: 団体の自己資金や会員からの会費
具体例:
- 団体積立金からの支出:50,000円
- 会員年会費:@2,000円×15名=30,000円
- 特別会費(事業協力費):@1,000円×25名=25,000円
- 団体の繰越金:40,000円
- 役員負担金:@5,000円×6名=30,000円
自己資金の重要性:
- 事業への本気度を示す指標となる。
- 助成金に頼らない持続可能性をアピールする。
- 予算全体の10-30%程度が望ましい。
5. その他
対象: 上記に該当しないその他の収入
具体例:
- 他の助成金・補助金:30,000円(ただし重複申請は要確認)
- 物品・サービスの現物提供(金額換算・どの様な支援か整理)
- ボランティアの労力提供(金額換算・どの様な支援か整理)
- 会場の無償提供(金額換算・どの様な支援か整理):8,000円の会場費を無償提供など
- 機材の無償貸与(金額換算・どの様な支援か整理):5,000円の会場費を無償提供など
現物提供の扱い:
- 金額に換算しておくとより良いが、本助成金事業においては収支には計上しないようにする。
- 提供者との合意内容を明確にする。
- 領収書に代わる証明書類を準備する。
収入計画作成時の重要ポイント
収支バランスの原則
- 収入合計=支出合計になるよう調整する。
- 助成金だけに依存しない収入構造とする。
- 現実的で達成可能な収入計画とする。
収入の多様化
- 複数の収入源を確保してリスク分散する。
- 参加費収入で事業の一部を賄う工夫をする。
- 地域や関係者からの支援を積極的に求める。
助成金申請の留意点
- 他の公的助成金との重複申請は事前確認する。
- 申請額の根拠を明確にする。
- 事業内容に見合った適正な助成額とする。
持続可能性の視点
- 助成終了後も継続できる収入構造を検討する。
- 参加者や支援者との関係構築を重視する。
- 次年度以降の収入計画も念頭に置く。
支出の部
1. 謝金
対象: 講師等の謝礼、出演料、作業補助謝礼、デザイン料等
具体例:
- セミナー講師謝礼:@10,000円×3回=30,000円
- ワークショップファシリテーター:@5,000円×2名×2回=20,000円
- イラストデザイン料:15,000円
- 通訳謝礼:@3,000円×4時間=12,000円
- 専門家アドバイザー謝礼:@8,000円×3回=24,000円
注意点:
- 団体構成員への謝礼は対象外
- 交通費を含む場合は明記する
2. 旅費交通費
対象: 電車、バス、タクシー、レンタカーの利用料金
具体例:
- 講師交通費(東京⇔八尾):往復15,000円×2名=30,000円
- 活動メンバー交通費:@500円×10名×6回=30,000円
- 資材運搬用レンタカー:@8,000円×2日=16,000円
- 視察研修交通費:@2,000円×8名=16,000円
- タクシー代(機材運搬):@3,000円×3回=9,000円
計算のコツ:
- 往復料金で計算する。
- 参加人数×回数で積算する。
- 公共交通機関を優先的に使用する。
3. 印刷製本費
対象: 広報宣伝用印刷物、報告冊子等の作成費用
具体例:
- イベントチラシ(A4カラー):@50円×1,000枚=50,000円
- ポスター(A3カラー):@200円×100枚=20,000円
- 活動報告書(A4モノクロ20ページ):@300円×100部=30,000円
- 参加者用資料(A4カラー10ページ):@150円×80部=12,000円
- アンケート用紙:@10円×200枚=2,000円
効果的な予算組み:
- オンライン入稿サービスの料金を参考にする。
- 部数は参加予定者数+予備で計算する。
- カラー・モノクロを使い分けてコスト削減する。
4. 物品購入費
対象: 1点1万円(税込)以下の物品購入費用
具体例:
- ワークショップ用文房具セット:8,000円
- イベント用テント:9,500円
- 活動用エプロン:@800円×10枚=8,000円
- プロジェクター用スクリーン:7,000円
- 工作材料(画用紙、のり等):5,000円
- 防災用品(ヘルメット等):@1,500円×6個=9,000円
購入時の注意:
- 1点1万円以下の制限を厳守する。
- 団体のユニフォームは対象外とする。
- 見積書の添付が必要である。
5. 通信運搬費
対象: 電話、郵便、宅配料、事業に必要なガソリン代
具体例:
- 郵送料(案内状):@84円×200通=16,800円
- 宅配便(資材配送):@800円×5回=4,000円
- 電話代(事業関連):月@2,000円×6ヶ月=12,000円
- ガソリン代(会場下見・物品運搬):@3,000円×4回=12,000円
- 資料配布用切手代:@63円×100枚=6,300円
領収書管理:
- 事業関連分を明確に区分する。
- ガソリン代は走行距離と用途を記録する。
6. 保険料
対象: イベント保険等
具体例:
- イベント保険(1日・100名):@500円×6回=3,000円
- ボランティア保険(年間・10名):@350円×10名=3,500円
- レクリエーション保険(スポーツイベント):@300円×50名=15,000円
- 施設利用者保険:@200円×80名=16,000円
加入のポイント:
- 活動内容に応じた保険を選択する。
- 参加者数を正確に見積もる。
- 複数回実施の場合は回数分を計上する。
7. 使用料及び賃借料
対象: 会場使用料、機器賃借料
具体例:
- 公民館会議室:@1,000円×12回=12,000円
- イベント会場(1日):@20,000円×2日=40,000円
- プロジェクターレンタル:@3,000円×6回=18,000円
- 音響機器レンタル:@5,000円×3回=15,000円
- テント・テーブルレンタル:@8,000円×2回=16,000円
会場選択の工夫:
- 市の施設を活用してコスト削減する。
- 長期利用の場合は割引制度を確認する。
- キャンセル料の規定も事前確認する。
8. その他
対象: 上記以外で市長が特に必要と認めたもの
具体例:
- ウェブサイト制作費:30,000円
- 動画編集ソフトウェア使用料:@2,000円×6ヶ月=12,000円
- アンケート集計システム利用料:5,000円
- オンラインイベント配信サービス:@3,000円×4回=12,000円
- 専門的な調査・分析費用:25,000円
申請時の説明:
- なぜその費用が必要かを具体的に説明する。
- 事業目的との関連性を明確にする。
予算作成時の重要ポイント
対象外経費(絶対に含めない)
- 団体構成員への謝礼
- 団体内部の研修経費
- 家賃や光熱水費などの維持管理費
- 食事代や茶菓子代
- ポイントで購入した分
見積書の準備
- 各項目について見積書や価格の根拠を用意する。
- 複数業者からの見積もりを取ることを推奨する。
- インターネットでの価格調査結果も有効である。
領収書の保管
- 事業に関する全ての領収書が必要である。
- 助成金充当分以外の経費も含めて保管する。
- 領収書で支払いが証明できない経費は認められない。
収支バランス
- 収入合計=支出合計になるよう調整する。
- 助成金以外の収入源も明記する。
- 団体負担金や参加費収入も忘れずに計上する。
事業規模に応じた予算
- SDGs若者チャレンジコースは上限15万円である。
- 助成率10/10(全額助成)である。
- 事業内容に見合った適正な規模で計画する。